早稲田大学建築学科「365°展」が面白い(ほぼ全作品を紹介してみる)


大学受験の時に建築学科の試験には、なぞに普通の理系科目の他に「空間表現」とかあったりして、また、実際に大学にいた時に夜中も毎日レベルで煌々と灯りがついてたのは建築学科の研究室であったりして、Photoshopとillustratorを常に開いていたりして、世界堂のデカイビニール袋をいつも持っていたりして…建築学科の人間に対して、何となく異次元の生物を見るような、365°の視点に立って、そんな見方をしていた。(建築学科の方と打ち合わせの予定があった時に、6時間待って、結局打ち合わせの開始時刻が深夜2:30となった事もあった、当然徹夜となった)

よく「面白いイベントとか、展示会ない?」と雑に聞かれる。そこでは「365°展」と答える。そして、今日展示会の最終日であったので、滑り込みで見てきた。というより、時間が30分もなく片っ端から写真に収めたので、振り返りも含めてここにまとめる。今年で3年目くらいの展示会だ。

  
こんな感じで、常に満員。人を掻き分け、ただひたすら写真を撮る、「カシャ」と音がなる間に作品を見て、スタッフに質問するを繰り返した。

  
さすが、建築学科の学生。展示会場内の模型も作られていた。どこに何があるかが、わかりやすい。ただ「ここまでやるか!」と思うが、そう思うくらいまでやるのが、早稲田の魂か。

ちなみに場所は、恵比寿のエビス・ギャラリーコウゲツという場所だ。

  

入口の階段の横には、富士そばがあるのでわかりやすい。もう今日で終わっているので意味のない情報だ。

 
これはポスター。展示物を全て見てわかるが、展示内容が、この絵に詰まっているのだ、結構サプライズポイントな気がする。

 
これは原画。展示されていた。 

365°展とは

早稲田大学建築学科の一年後期の授業で「設計演習A」という授業があり、それは4人の教授がそれぞれ課題を出すという。デッサンがあったり、大喜利的な課題もあったりする。その授業で生まれる作品は、4人の教授、色々な方向からの課題に対する学生の作品であるため、作品のジャンルが多様になる。その作品が展示される「365°展」は、「設計演習A」を受講していた有志グループで作られ、授業でA+をもらった作品だけでなく、作品展として面白いとされるものだけが抜粋されて展示されるため、少々勿体無い気もするが、その分面白さがかなり濃縮されていて、展示会としてパンチが強い。かなり狭い展示場所なのであるが、たくさんのものを見た気持ちになり、満足感に浸れるのが、この365°展の凄さである。

「個展とかよく分からなくてつまらない」とそう思う人でも、例えば…

  
「建築学科なのにこんなことやるの!?」という課題だ。ちなみに作品は…

  
母親が毎朝作る目玉焼きで、世界の国を紹介するもの。

  

またこういうのもある。

  
宇宙規模の課題なのに、ニキビという、小ささと「そこ!?」という面白さがまずある。

  
学生ならではの肌に関する問題意識がある。

  
睡眠無し…そして大学の弁当で、大きなニキビになるようだ。(早稲田大学理工学部のキャンパスで売られていたエコの弁当を思い出した。量が少ないのにエコのパッケージだからなぞに450円くらいで高い品…それ(唐揚げ弁当)を食べたのかな)

  
夕食はハンバーガー…食生活やばそうだ。

こんな感じで、地球人の肌と睡眠、食事の関係をニキビという切り口で示している。こういう日記、面白い。

こんな感じの展示会である。

そもそも…

「365°展」の365°というのは、日常の360°の様子を眺めて、自分なりのオリジナルの視点として+5°加え、新しい発見に導く、という目的にちなんで付けられたようだ。

先ほどの例を見ると何となくわかると思う。

大学課題に対する作品を使った展示会は、色々あると思うが、型にはまらないような発想勝負のお題をそもそも出す大学の授業は少ないと思い、そこらへんが、この授業の強さであり、展示会の魅力であると思う。

それでは、展示物を見てみる。

課題1:地形の顕在化

早稲田大学キャンパス、またその周辺を絵に起こすというシンプルな課題だ。

  
数字がのった模型。何やらキャンパス部分だけが木製、パッと見てわかる。数字に紐付いて絵がこの模型上に飾られる。

  
とてもシンプル。だが、ただ絵が描かれているだけでなく、テキストで説明。しかもその絵自体がマニアックな部分の切り取り。ブランコまであった。

この展示の仕方はとても綺麗で、わかりやすい。また混んでいても1番から見るように、客の導線が自然にできあがっていた。

スピードを上げて紹介する。

課題2:都市のリズムを採集

街の中にある物にリズムを見出して創意で可視化しろ、という課題。

  
手摺を支える部品にフォーカス。こんなに種類があるのね。

  
栞を描く。確かに色々あるわな。黒だけだったのが少々残念だった。

  
タイトル通り。このドアが壁にぶつからないようにするやつのおかげでドアの消耗が少なく、感謝しないと、と思った、ごめんなさい、うそ。

これもこんなに種類があるのね。それぞれ値段はいくらなんだろう。この上に別レイヤーで載せたい。

  
結び目。マニアック。亀甲縛り的ななのがないが女性的だと思った。

  
何か、新幹線に見える、マウスが。

  
この着目点面白い。どの授業がノートとるのに忙しいかわかる。マイルストーン(早稲田大学の授業の難易度などが示された本。4月に爆売れする。これを見て授業を選ぶ)でこの評価指標があったら何気に参考にすると思う。いや、誰かがとったノートをタダコピで処理するか。

  
検証系の作品好き。チェックシャツを調べていたようだ。理系は想像通りの残念な結果だそうだ。

  
色々ありますね(徐々に雑に紹介

  
これをシールにして使いたい。「並ぶ」の良いなぁ。

  
これは面白い。ただ使い所が…

  
よく世界堂に行ってらっしゃいますものね…これ整理するの大変そう。

  
何気ないものを分類する、好き。

  
ライフログ、流行り感ある。

  
1面から32面まで繋げると確かに見えてくる…ような

  

  
空か、電線。写真好きな方かな。

課題3:新しい◯◯

  新しいものをデザインしろ、という課題

 

厳選の4作品。

  
ミルフィーユをカットする道具らしい。なんか物凄く数学的。美味しそうな感じはないが、それはいいか。あんまりミルフィーユ、好きじゃないのかな、余計なことを考えてしまった。

  
ポテトチップスの袋を開けやすくする指に装着するゴムは商品としてあったけどこれはないか。名前、良いですね。

  
植物か!

  
示し方上手い。

課題4:想起させるモノ

 このノートはなんだったんだ? 
  なかは…

  
…放置しよう。

では、作品に。

  
白川郷は…

  
ケースに入れてる感じわかるわ。白川郷自体がおもちゃというか模型みたいで、そうそう、その感じ。

  
カプセルハウスは…

  
ルービックキューブ。

  
吊るされた家は…

  
鉛筆削りに。

  
ルーブル美術館は…

  
ティーパックに。

  
フンデルト・ヴァッサーのデザインは…

  
ハイヒールに。

  
凱旋門は…  
ネックピローに。

  
ルドゥーの河川監視の建物は…

  
トイレットペーパー置きに。

  
中銀カプセルタワービルは…

  
刺すタイプのハンコ置きに。

  
真壁伝承館は…

  
行燈に。

課題5:デッサン(手が語る情景、人間の群れが形成する空間

  
まとめて、どん。

課題6:頭からつま先まで

家から大学までを表現しろ、という課題。

  
舗装を示した作品と…?

課題7:自画像

  
タッチの個性が面白い。

  
顔をスマホのカメラが認識するが、下に顔をまとめて一つの顔として認識してるのが怖い。

課題8:ペットボトルと紙

ペットボトルを置くことで成立する紙のデザイン。

  ペットボトルの重さがあるから紙が安定して立つ。

 

 こっちは、紙の置物そのもののデザインをアピールしていた。

課題9:役に立たない機械

   
 底が抜けた貯金箱など…

課題10:時間のかたち

時間の経過をものを通じて見せるという課題。

  
確かに!歯ブラシで性格わかる。どのくらいまで使うか。

  
書き込み、確かに。

  
チョーク、確かに。

  
ソフトクリーム。絵が美味しそう。続きが気になる。

  
瞬発芸。

  
紙の色。

  

  
首の傾き!!90分、辛かった…

  

  
ランドセルの位置。

課題11:新しい地図

  
お。

  
待ち時間を地図上にプロット。場所毎に何と無く待ち時間が違うことは想像できる。この調査どれくらいサンプルをとったんだろ。

  
理工学部内での昼食について、4つの指標で評価しているようだ。

  
割と定番な。

  
コンビニを繋ぐ。

   
 
マニアック。

   
   
「ん」に感情移入。

   
     
標識で遊ぶ。

  
騒音グラデーション。

 定番。

   
   パラパラまんが式!見せ方で勝ってる。

   
   
木組み…笑 マニアック過ぎるし、こんなに説明できてるのが面白い。

  
街灯をマッピングすると、地図ができるという検証。

  
地図をお菓子で。

  
座り心地を評価、試しに座ってみたい気持ちになる。縁に椅子のかたちがあるのが丁寧。

最後に

一見、建築にとらわれない課題に驚くが、展示された作品はデザイン(形、色、仕組み)もしくは人自体、人の生活に深く関わること。人の生活に責任をもつ建築を考えるために、重要な思考の体操になっているように全体を見て思った。デッサンの上手さはさておき、発想勝負、アイデアで苦手な部分を補う作品があったように思い、作品を作りながら、自己分析を進めている気がして、大学一年生の後期でこういう授業が経験できるのは、素晴らしいこと、とか思ったが、自分が学生だったと仮定すると、課題いつやろう…と時間を考え出す、本当にきつそうだ、学生大変。

かなり雑に写真を貼っていったが、作品は立体。静止画では伝わらないものが多い。来年は、是非、展示会場で。おすすめ。

有志の皆様、楽しい時間をありがとうございました。

 


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