ピアノの発表会で妹の生徒達だけが抜群に上手かったその練習法


僕はピアノの先生の兄である。

先日、妹のピアノ教室(妹が26歳か27歳の時にグランドピアノと建物を購入しそこで教えている)の生徒たちの演奏を聴く機会、というか、発表会を聴きに行って驚いた。

その発表会には、妹の生徒以外にも他のピアノ教室の生徒もたくさんいるのだが妹の生徒だと分かるくらい他のピアノ教室の生徒よりも圧倒的に上手くて、「この子、生徒でしょ?」と妹に聞くと「そう(嬉しそう)」と返ってきた。1人、2人が上手い訳ではなく、全員上手いのだ。小学2年とは思えない振る舞い、手の動きで、プレッシャーを感じず堂々と弾いている様子から人前でピアノを弾くことに慣れているように思えた。他の生徒が緊張している様子であったので、より妹の生徒が強調された。いやそんな他の生徒の演奏の有無に関わらず上手いと思った。驚くほど。ピアノに向かって歩く姿、ピアノの鍵盤に手を添える仕草、これから演奏を始める空気づくり、演奏後の振る舞い、全てがただの流れではなく、1つひとつきちんと叩き込まれている感じであった。コンクール仕様であることがわかった。

妹に「生徒さん、みんなすごく上手いね。小学2年生が何人か出てたと思うけどみんな上手かった。どんな練習してるの?」と聞くと「割と簡単だよ」と言い、「人前で弾かせる機会を作るの」と笑顔で答えた。

更に妹は「年齢の近い生徒だけを集めて一人ひとりピアノ演奏をしてもらう『弾き合い会』というのを定期的にやっていて、そういう場を設けると生徒が友達とか周りの人に悪い格好を見せられないと必死に頑張るの。知らない人たちを集めたら強制力はそんなになく休む生徒も出そうだけど、友達同士だったり、練習の順番が前後の人たちだったりするから、そんな人に格好悪い姿を見せられない。だからすごく良い緊張感の中で弾き合い会が行われてるの。だから、今日の演奏を聴いてもらって分かると思うけど、他の生徒と比べると圧倒的に自信あるように感じるでしょ?緊張に押し潰されず楽しそうに弾いてる感じだったでしょ?他の生徒よりも圧倒的に人前で演奏するという経験をしてるの。その緊張感を与えるとみんなきちんと良く見せようと、更にピアノを上手くなろうと自発的に動くようになるの。試行錯誤はあるけど、かなりかたちになってきてるよね?」と質問してきて、回答はYESしかないわけである。

妹の生徒を教える週の枠は60枠程度で、妹にその枠を濃くしたい想いがあるのか、ただただ親の意思でピアノをやらせピアノを弾く意思が弱い生徒に対して弾き合い会で意思が変わるか変わらないかを見極め、いや見極めるというより、変わらない生徒は弾き合い会の中でプライドが傷付き勝手に辞めていく訳で、良い振い落としになり、空いた枠を早く確保し、別の生徒を入れるようにしているようである。

基本的に妹の練習枠は常に満枠で、妹は「できるだけ枠を増やしたいけど有限で。さみしいけど、やる気のない生徒がピアノをやっても生徒のためにもならないし、私のためにもならない」と続けた。

超まさに、である。

サボることができない、努力する機会を定期的に作り、やる気の有無を確認し、人前で恥をかくことなく弾かせる場に向けた努力の経験と終わった時の達成感、そして演奏者である生徒同士、お互いがお互いの演奏について感想を伝える、演奏における聴衆視点を注入されるとともに集められた自分の演奏に対するたくさんのフィードバックは、生徒自身のピアノの明日に繋がる。

弾き合い会、僕がピアノを習っていた頃にあったら良かったなぁと。

妹の生徒さんのこれからの活躍が楽しみである。


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