ハワイにピーコックバスとレッドデビルを釣りに行った話
ピーコックバスという魚はご存知だろうか。
グーグル画像で「ピーコックバス」と検索すると出てくる画像はこちら。
日本では絶対見られないようなカラフルなトロピカルな色をした魚で、やや気持ち悪さもあるが、リュウグウノツカイという深海魚を見て誰しも「生で見てみたい」と思う部類の魅力があるように思っている。それくらい、この世の魚と思えない伝説感が見た目から漂っていると思う。どうだろうか。
このピーコックバス。去年マレーシアに行き怪魚を釣りに行った時に色々画像検索しているなかで、ピーコックバスが出てきて、その名前は今まで聞いたことがあったしサラッと写真で見た程度であったが、改めてピーコックバスの写真を見た時に「生で見たい」と思ってしまった。
※去年マレーシアで釣った魚
それから一年経ち、ピーコックバスへの想いは更に大きくなりらピーコックバスはハワイにもいると聞いて、ハワイに向かった。ハワイには買い物やビーチで楽しむ以上にピーコックバスを釣ることが大の目的。釣りしない人にとってはとても気持ち悪く思えるだろう。まずは話を最後まで聞いてほしい。
ピーコックバスは、ハワイ、オアフ島中央に位置するウィルソン湖という場所に生息しているようである。ウィルソン湖はかなり厳重に管理されていて、朝の7時から夜の18時半までしか入れない。しかも湖と言っても日本の河口湖などのように陸っぱりでも釣れる感じでなく、川のような形状になっていて、入りづらい箇所がたくさんあり、また魚も陸ギリギリのところにいるので、陸っぱりだとほぼ釣れないという情報を得ていたのでボートしかなく、事前にガイドさんをアサイン。
当日朝の6時15分。ヒルトンホテル近くでガイドさんと待ち合わせて、ウィルソン湖を目指す。
途中のセブンイレブンで高まる気持ちを宥める。ガイドさんに支払う160ドル、このハワイに来たことも、ピーコックバスが釣れなければ全てが無駄…こう思うと、冷静になれない。
6時55分にウィルソン湖に到着。ちょうど7時にウィルソン湖の管理人が登場し開門。いざ釣りへ。
ボードを下ろす。
これからピーコックバスとの戦いが始まる…冷静になれない…
持って来た釣り具をボードに置く。
ボードに乗り込む。
今僕はウィルソン湖の上にいる。そして下には憧れのピーコックバスがここのどこかに確実にいるのだ。そう思うと釣れる気がしてきた。
ボードをピーコックバスが釣れると言われるポイントに移動する。波がなく、水面に木々が鏡のように反射する。日本では見られない綺麗な景色である。
時々、その鏡のような水面が揺れ、魚がジャンプしている。ガイドに聞くと「小さいピーコックバス」だと言う。もう釣れなくていいから、間違ってピーコックバスがジャンプして、このボートの中に飛び込んでしまえば良いのにと思う。もはやピーコックバスは釣りたいというより、会いたい、生で見てみたいと思う存在になっていた。あのアイドルに会いたい、俳優に会いたい、そう思うことはそんなにないがピーコックバスにはそんな感情がある。そんな自分が気持ち悪い。
日本ではゲーリーヤマモトをはじめワームを中心に使っていたが、ウィルソン湖では、ワームが一切釣れないらしい。ハードルアーが基本でミノーをガイドさんからおすすめされた。
ミノーを使う。
ボードから陸ギリギリにルアーを投げる。リズムよくスピーディーにリールを巻くを繰り返す。
何回も繰り返しても釣れないこと30分。ウィルソン湖に向かう車中のガイドさんの言葉を思い出す。「ピーコックバス、今年は全然釣れれてないんです…釣れてもかなり小さいサイズ…」…今言うか!!と思ったが、ピーコックバスに見るには、触れるには、今日釣るしかないのだ。
そしたらいきなりヒット。
ズシンという重さ。
スモールマウスバスのような感じであるが、苦戦する感じではない。
リールを巻く。
…
絵になる感じのサイズのピーコックバスである。この美しい黄色。黒の斑点。オレンジ色のお腹。これはまさしくピーコックバスである。
ピーコックバスの表面は滑らかで鱗の存在を感じさせないくらいでずっと撫でていたくなるほどであった。
悲しいがスポーツフィッシング。釣れたピーコックバスを逃さなければならない。
さよならピーコックバス。
また別のピーコックバスを求めてキャスティング。
また釣れない時間が続く。時刻は9時を回ろうとしている。日射しが強くなる。魚は朝の涼しい時間に活性があがる。その活性が終わろうとしているのは、自分の汗の量でわかった。
ピーコックバスは釣れたものの、人間の欲というものは怖く、たくさんピーコックバスに会いたいと思っていた。
気持ちが焦る…。
9時を回った頃、ポイントを変える。
キャスティング。
いきなりヒット。
引きは割と軽い。
…。
鮮やかなオレンジ色。
写真でしか見たことのなかったレッドデビル。
河口湖でいうブルーギルのような存在で割と釣れるようである。が、ブルーギルよりも大きく釣り上げた時、とても新鮮な気持ちであった。
スポーツフィッシングなのでリリース。
またしばらく釣れず10時を回った。さすがに暑くなる。
ポイントを変える。するとヒット。
かなり重い。
日本でも感じたことのない重さであった。
姿を見せた。
日本にもいるブラックバス、ラージマウスバスである。
40センチはゆうに超えているだろう。
このラージマウスバスに触れて思ったが、改めてピーコックバスは触り心地がいい。ツルツルというかサラサラしているとすら思った。一方でラージマウスバスは痛いくらいザラザラしていると思った。
11時を回り、タイムオーバー。
ピーコックバス1匹、レッドデビル1匹、ラージマウスバス1匹が初のウィルソン湖の釣果である。
ピーコックバスに会えて良かった。ピーコックバスに触れられて良かった。またピーコックバスを求めていなければ日本では見られないウィルソン湖の綺麗な景色に会えなかった。改めて、ピーコックバスに感謝である。
これで気持ちよく日本に帰れる。…良かった…。