新川直司「4月は君の嘘」に震えて泣いた


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年末に実家に帰ると母が「面白い漫画がある」とやや押し付けに近い感じで、漫画の単行本をすすめてきた。その漫画は新川直司の「4月は君の嘘」。ネタバレなしで…どんな内容かというと、音楽青春系の切ない物語で、主人公の有馬公正は小学時代ピアノのコンクールで賞を数多くもらい将来が期待されていたが、当時のピアノの先生でもあった母の死と母からの教えの呪縛にとらわれステージでピアノを弾くと自分が奏でた音が聴こえなくなり、しばらくピアノのコンクールから離れていた。中学生、14歳になった有馬公正はある日、同じ学年の天才バイオリニストの宮園かをりに出会い、彼女から「バイオリンコンクールの伴奏者になってくれ」とお願いを受け、悩みに悩んで…伴奏をすることになる。バイオリンコンクールで宮園かをりの演奏に心動かされ、有馬公正はピアノを再び弾くようになる、宮園かをりのために…。

ギリギリネタバレではなかったと思う。今これを書いてるのが、実家から東京の家に帰る間の小田急線で、何も考えずに打つと何もかもストーリーを言ってしまいそうになるくらい、ズシンズシンと自分の中に「4月は君の嘘」のストーリーが入ってきて、というか、すごくズルいんです、本当にズルいというか、インサートというか、何にもない外の風景にズシッとパンチのある言葉で畳み掛けてきて、4月は君の嘘は全部で11巻なのだが、3巻は都合により読んでいないのだが、一気に最後まで読みたい!読みたい!読みたい!となって、普通に面白い正月番組がテレビで流れている中、妹に「年明けを漫画読んで迎えるってどんな神経?」って言われるくらい噛り付いていた。

演奏シーンの描き方は、一色まことの「ピアノの森」の方が上手いと思う。ショパンの曲がもつ情景を存分に絵にしてくる。一方、「4月は君の嘘」では、曲がもつ情景というよりか、出ているキャラの心情をかなり刻んで出してくる。表面的に少し似てる感じの作品ではあるが、ストーリーも演奏スタイル(「4月は君の嘘」はバイオリンとピアノのアンサンブル、ピアノとピアノのデュオが多いという意味で)、演奏シーンの描き方も全く違うので、比較対象にならないくらい。

勝手な解釈でごめん、であるが、何より、この漫画が伝える〝大切な人を思うことの大事さ〟というか〝好きという気持ちの力〟の表現の仕方と、シンプルな言葉づかいに感動したし、恋したいなと思ったし、誰かと何かをしたい、という気持ちを自然に持ったし、音楽したいと思った。

最後は本当に悲しく涙で震えてしまうが、読後何かに踏み出させる力をくれる、不思議なキラキラした漫画であった。ゆっくり、じっくりまた読み直したい。


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