今のエロ本と江戸時代のエロ本『春画』をくらべてみました


12月23日に永青文庫で行われていた春画展に行ってきた。『春画』という言葉は聞き慣れない言葉であると思うが、要は江戸時代頃のエロ本である。エロ本といっても、〝下世話〟なものというより、歴とした芸術作品。世界的、歴史的にも重要な日本を代表するものである。

 

以前に宇多田ヒカルさんがTwitterで「大英博物館で日本の春画が展示されたのに日本で展示されないのはおかしい!」とTweetしており、そこで春画の存在を知った。

 

宇多田ヒカルさんの嘆きも背中を押したのかもしれないが、日本で春画展が行われることになり、今回、その春画展に最終日に滑り込んだ。滑り込むと…
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なんと…長蛇の列…1時間待ちであった。それでも待ちわびた春画展。1時間の待ち時間は苦ではなかった(実際、一人だったため、また雨も降っていたので持っていた本も読めず…かなりの苦であった)。
早速、春画を実際に見た感想を。

 

・きちんとエロい
・なぜ、春画は描かれたんだろう

(真相はよくわかっていないらしい)
・今の日本のエロ本はどうなんだろう

 

 

あることに気が付いた…
「そういえば、

エロ本というものを買ったことがない」

 

ということで、〝エロ本〟という言葉をたくさん使ったことはあったが、実際に購入したことなく29年間生きてきてしまった。これはまずいと思って、今回、今の時代のエロ本と春画をくらべてみようと考えた。
※そもそも春画を見たことがない方に…2点だけ(ポストカードで載せて大丈夫なものとして…)

 

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■基礎情報の整理
春画について、春画展で展示されていたものは写真撮影することができず、僕が春画展を回った印象と紹介パネルを読んだ記憶で各情報項目を埋めていく。また春画と比較する今のエロ本については、春画と比較するため、コミック誌(エロ漫画、現在多く存在する美少女系)であることを条件に以下の3冊を挙げる。
※「きちんとランキングを調べて選定しろや!」という方、エロコミック誌に関する知識が私自身かなり乏しいので、以降読まない方が良いです。私の独断と偏見で評価している部分があるので…。ただ、エロコミック誌に関する興味が現在とてもあるので、色々と教えて頂けたら幸いです。(なぜ、エロコミック誌のランキングを調べていないのかというと、春画展に行った記憶がどんどん薄れてきてしまっているので、スピードを重視し、ヒアリングベースになっています。)

 

 

□男性向けのエロ本

 

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・コアマガジン『コミック ホットミルク』
・ワニマガジン社『快楽天』
この2冊の選定理由は、エロコミック誌を数多く揃えているファミリーマート東高円寺北口店へのヒアリングの結果、一般的にエロコミック誌の1回あたりの入荷数が4冊であるにも関わらず、上記2誌については、9冊であり、またその9冊が即日完売になることがわかり、特に人気であるエロコミック誌であるといえると考え、選定した。なお、この2冊は表現など多くの面で似ている点があるため、1欄に対して情報を1つにまとめている。

 

□女性向けのエロ本

 

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・茜新社『コミックLO』
エロ・サブカル分野に詳しい友人♀より、特に女性に人気があるコミック誌ということで、選定した。

 

 

 

それでは、春画と現在流通するエロ本上記3冊を見た結果を以下の2つに分けて紹介する。

 

・歴史等の基礎情報
・絵画表現

 
まず、

 

・歴史等の基礎情報

 

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・絵画表現

 

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■思ったこと

 

昔から(表現される)交合のかたちは変わらない

春画を見て一番驚いたこと…それは「ほとんど正常位かな」と思って春画展に臨んだのだが、ほどほどに正常位はありつつ、バックやエキゾチックがあったり、3Pがあったりとバリエーションに富んでいたことである。そんなところから、江戸時代の頃から交合で快楽を追求していたのか、と思ったが、1612年には江戸に遊郭が存在したわけで、遊郭による性の商業的な発展もこのバリエーション豊かな体位に影響を与えたのかなと思った。実際のところどうなのか、遊郭が江戸につくられる以前の交合のバリエーションを知りたい。

 

 

同性の交合は昔から認められていたのか

春画展では、女性同士の交合の絵があった。今になってやっと〝○○州で同性婚が認められた〟が話題になり、〝同性愛を私は受け入れます〟とかしこまって言うようになったが、江戸時代に女性同士の交合の絵があったのには、驚いた。男の興味関心で描いたものなのか、女性同士と思いきや、女装した男性と女性のコスプレ的な交合なのかもしれないが、それはそれで興味深いものである。江戸時代の同性愛に対する目の向けられ方はとても気になった。

 

 

描かれる対象の人間像

今のエロ漫画では、女性が主に小学生~高校生と若く、そこに犯罪性が見える。手が届かなくなった交合を漫画に求めるのか、と読んでいて思ったし、写真や映像では感じられないエロさというか、書き言葉がしっかり音として聴こえてくる感覚が不思議で、エロ漫画のすごさを感じた。映像>写真>漫画のエロのパワー関係ではなく、全くの別ジャンルのエロなのだと読んで思った。一方、春画では、着物や絵画の紹介情報より大名などお金を持った人が描かれているように感じた。「この画は、○○♀(知り合い)と○○♂(自分もしくは知り合い)の交合だ」とその絵を眺めた人が思うような、そんな交合している2人、もしくは3人の関係が具体的に想像できるようになっていると思った。ある意味、変態的ではあるが…。これは勝手な解釈であるが、展示されていた春画を江戸の人たちは何を思って、どんな目的で眺めていたのか、とても気になった。

 

 

最後に

僕が中学生だった頃、高校受験目前に塾に通っていたのだが、その塾の友達が、授業の休み時間にノートを落して、それを僕が拾った。ノートは開かれた状態で床に落ちて、僕は開かれたページを悪意なく見てしまった。そこには、下手ではあるが、明らかに裸の女性が描かれていたのだ。長い髪に膨らんだ胸、明らかに裸の女性であった、今でも覚えている。その友達はすごく恥ずかしそうにして、ノートを拾ったことに対して、僕に「ありがとう。で、さぁ…」と別の話題を持ってきた。本当に恥ずかしかったのだろう。その時は僕もそのノートに描かれた裸の女性を忘れることにしたが、今も鮮明に覚えてしまっている。
その中学生の絵は、エロかった。アダルトビデオや、写真にはないエロさをそのころに感じた。エロを感じさせる意思を持った絵は、その絵以上に、その意志の方に読んでいる側としては気持ちが向かい、絵の世界に自然に入り込んでしまって、色々解釈しようとする。その過程が最高にエロい。その時に、何となくエロの絵の魅力というのを感じていたはずなのに、今は写真や映像がたくさんあって、エロ漫画なんぞに目が向かわなかったし、そもそも写真や映像もそんなに見ていないしで、エロという部分から最近疎遠であったが、春画をきっかけに想像させる絵としてのエロジャンルに魅力を強く感じた。

 

 

春画展、2回見たかったなぁ。

 

 

※全然関係ない話※
春画展に行って、正直に一番驚いたことは、客層で、45代以上の熟年の夫婦が多い印象があった。永青文庫という場所柄かもしれない。熟年の夫婦が、春画を見て、その絵の交合を見た旦那の方が知性を放って薀蓄をいう姿が最高に面倒で、じれったくて、エロくて、その夫婦たちのその日の夜が気になった。

 

 


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