就活は内容より話し方で決まると思う〜望月和人「心に刺さる話し方」を読んで〜
多くの人は
「何よりも内容が大切だ」
と思っていると思うのだが、そして僕もそう思っていたのだが、会社に入ってから
「伝えることは内容と同じくらい大切だ」
と思うようになった。
それは色々な会社の伝えたいことを伝えたい人たちに伝えるためのお手伝いをするという広告会社の性質的な要素は大きいが、佐々木圭一著「伝え方が9割」が爆売れし、「伝え切れてないじゃねぇか」というツッコミ覚悟でパート2を出しているところから世の中的に伝え方の重要性が表面化している影響も強い。なんせ、伝え方が〝9割〟である。
そんなマインドの中でこの本を読んだ。
望月和一著「心に刺さる話し方〜」
まずはどのような本か、紹介する。
「心に刺さる話し方」
日頃の会話をより円滑に、気持ちよく進めるためのメソッドが望月さんが学ばれていた心理学を用いて示されている内容。
例として普通の会話と望月メソッドの会話が2つ提示されているので、改善が分かりやすく、明日から自分を変えられる気がしてくる即効性の高いコミュニケーションHow to本となっている。また望月さんの仕事である広告クリエイティブを企画する術、ノウハウ、考え方も示されていてラインマーカー引きまくり。
就職活動を控える学生に読んでほしい
この本は広告会社の社員だけでなく、日頃誰かと会話する人全員が参考になる内容であると思うが、特に就職活動を控える学生には読んでほしい。というのは、毎年3、4人ではあるが学生の就職相談にのっている。当然学生からの質問には僕自身が見える範囲で答えるが、彼らがどう自己PRするのかが、気になり、というか、OB訪問において一番すべきことは、自分の自己PRをチェックしてもらうことだと思っているので、必ず自己PRと志望動機を字数は250〜400程度で用意してもらっている。
なぜ、自己PRをチェックしているか
それは、内容より大切なモノがあると僕自身、信じているからで、それが、〝伝え方〟である。その伝え方でまず躓かせないようにチェックしている。
学生の多くがサークルとバイト、そして勉強しかしていない。そんな中で憧れの企業に就職する人は、箱根駅伝に出場していたり、起業して大金を稼いでいたり、親がどこかの会社の社長だったり、そんな人しかいないと思いがちだが、違う。確かにそういう人は多いが、僕らと同様普通の学生生活を送っていた人も内定を勝ち取っていることを就活の波が去ってから知るのだ。
何が違うのか…〝伝え方〟なのだ。
放った言葉を相手はどうイメージするか
超初歩であるが、意外にある話で、頑張ったことを聞くと「バイト」と答える人が多い。「バイト」と聞くと「ふ〜ん」と思う。至って普通の会話だが、普通の会話は面接試験では埋もれる。「バイト」って言われた時に「何の?」と思うし、「バイトで家庭教師をしてたんですけど…」と言われたとすると、「今の〝バイト〟ってワードいる?」と思う。また「バイト」という言葉にあまり良いイメージがない。課せられたことをやる、バイトはそんなイメージで、面接でアピールしたい積極性やリーダーシップとは対極にあるように思う。
面接において「バイト」のような割とネガティブなワードをいう必要があるだろうか。望月さんの「心に刺さる話し方」でいうところの〝ネガティビティーバイアス〟であると思う。
対人、で何かを考える時は、自分のアクションに対する相手の気持ちを常にイメージしないといけないと就職活動してた頃は注意していて、望月さんの「心に刺さる話し方」を読んで今改めて思った。最近はこうきたら、こう、みたいな決まり決まったフォーマットで動くことが多く、「より良く」を追求するための姿勢が欠けてたなぁ…と反省しながら、望月さんのメソッドを思い出しながら実践し身体に定着させようと思った。
細かい言葉づかいが印象をつくる
望月さんの本で語られているのは、凄い発見的な何かではないが、伝え方の少しの工夫で生活が豊かになるというビジョンなのだと思う。本文の例として挙げられる普通の会話を読み、望月さんのメソッドの会話を読むとその豊かさがイメージできる。
よく「印象は会って一瞬で決まる」と言われるが、それは本当か。僕自身、人の印象を確かに部屋で一緒になった瞬間に想像するが、会話をしていく中で、つくられていくと実感する。またメールや電話を通じて更に継続してその印象は更新され続ける。会ってる時はすごく丁寧なのにメールだと…というケースは多々あるし、自分自身も気を付けたいと思うし、もっと上手くなりたいと思う。
そういう点で、細かい日々のコミュニケーションについて見直すことができるきっかけになった本であった。
おすすめ。