後ろのおじさんが唸ってる


銀座線の扉隅に立って、スマホみたり、窓の外をみたりを繰り替えしていた。その時、「うー、うー」倒れそうな犬のような声が後ろから聞こえたから、なんだ?と思って、恐る恐る足元から見たら、足が浮いていた。50歳くらいのおじさん。脚がプルプル震えていて、両手で吊り輪を掴む。しかも一人でである。誰かと一緒に乗ってて、ふざけて、とかなら何となくまだ許せるが、単独で足を地面に着けないゲームをしてるものだから、もうなんかのドッキリ?と思うくらいで、この人は今までどう生きてきたのかな、と考えた。

電車の中で度々変な人を見かける。借地権の問題について電話で誰かに相談していたり、山登りのスタイルのおばあさんが座席譲れと怒鳴っていたり、刀を持つように傘を持っていたり、明らかに変だな、という感じのおじさんを見かける。彼らは、その変を見せる前までどう生きてきたのかなと思う。彼らはみんな僕より多分10歳以上年上で、そんな変な感じだけど、きちんと生きていて、こういう人でもちゃんと生きられるんだぁと少しだけ安心する。

結構前から、今ある仕事の殆どがこれからなくなりますよ、と鼻高々に色々な方向から助言される。こんな作業なければ良いのに、と思うことはあるけど、その時間でお金がもらえるのであればやる。〝こんな作業〟という部分がたまに大きくなった時、そこには殆ど自分という存在はないのであるが、そんな透明の自分にお金が発生していたりする。バイトしていた時はまさにそんな感じであった。そんな、そこに自分がいない、作業がどんどん無くなるのかなと思いきや、そこに自分がいない、作業のみが結局残るのかなとも最近思ってきて、先がすごく暗く見えていたけど、変なおじさんを見て少しだけ安心した。

そんなことを考えながら、ソルロンタンを眺めていたら、塩を入れ過ぎてしまって台無し。

この塩を入れる作業はいらない、やってくれ。image


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