売春地区ゲイランの夜


シンガポールという国は不思議な国で、イメージとしては〝外で唾を吐いたら罰金〟でとにかく罰則が厳しい国であるように思うが、シンガポール政府が公認している売春地区がある。それがゲイランというエリアで、MRTブギス駅から東西線でアジュニード駅が最寄り。シンガポール中心部からタクシーで動いても1000円に満たない。

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シンガポール中心部は、イメージ通り、唾を吐いたら罰金で、ポイ捨てゴミは見当たらない。罰則でポイ捨てゴミがない、というよりは、街中にゴミ箱がたくさんあるからでないかと思うくらいで、東京にもこんなにたくさんゴミ箱があれば今よりも綺麗になるんじゃないかなと思うくらいで。そもそも〝外で唾を吐いたら罰金〟のインパクトが強過ぎて、街中にゴミ箱を置くという肝心のことが抜け漏れている気がする。

ゲイランというエリアは、そんな中心部とは異なり、例えるならバンコクのような、外に席が溢れ出した安い食事所が多くあり、色々な臭いがぶつかり合うようにして充満していて、慣れないから鼻をつまみたくなるようなこともありつつ、そんなのは5分歩けば慣れ、あっという間に、売春地区に到着する。

売春地区を歩けば、そこが売春地区であることがすぐにわかる。2,3階の建物の入口にいるおじさんから「見るだけタダ」と声をかけられる。日本人の客の多さをまず痛感する。だいたいショルダーの鞄をしている男は日本人という認識を彼らはもっているのだと思うし、シンガポールで見かけたショルダーの鞄をしている男は確実に日本人であった。
それらの家には、スクエアの看板が付いていて、数字が書いてある。

18,20,38,40…

それらの建物の1階には女性がディスプレイされている。店に入れば、そこにいる女性は客に手を振り、笑顔で対応。ほのかにお茶のようなニオイも漂う。10店舗くらい回れば何となく感覚がつかめる。

時間は40-50分で、タイ人は$80、中国人は$150。30分で$50と言われるケースもある。

上で書いた手を振り笑顔で対応しているのはタイ人で、店に入っても無視するのは中国人。店舗ごとに女性の出身国は異なる。サービスではタイ人が圧倒的に上回るのに、値段が倍も違う、外見主義が妙に引っかかる。

彼女たちは出稼ぎでこのゲイランに来ているという。タイのしかもバンコクであれば、ナナプラザなどの大きな施設が存在するのに、なぜシンガポールまでくるのか、すごく理由が気になったが、その疑問はしまった。

ゲイランのいわゆる売春地区と言われる場所を出歩くのは当たり前だが、ほぼ男性しかいない。僕はある人を案内していて、その人は女性であった。その人と歩いている時は、全く声をかけられないけど、1人で歩くと声をかけられるだけでなく、軽く腕を掴まれ、店の中に引き込まれる。だけど、そんなに強引でなく、外に簡単に出られる。西欧の人や中東の人、中国人や韓国人、そして日本人が店の中に消えていく。そんな景色がここゲイランにはあった。

一緒にいた女性はこの情景に唖然とした感じで「海外ってこわいね」と軽く呟いた。そうだね、と返事をしたが、日本の方が異様だと思った。正午前の歌舞伎町を歩いた時の長身茶髪の黒い服を着た男性に太った女性がラブホテルの前で5万円くらい渡している光景を思い出す。色々な管理下を外れた中で展開されたギブアンドテイクだと確実にわかるからこそコワイ、しかも白昼に堂々と行われているからコワイ、だから日本の方がこわいね、と口にはしなかったけど思った。

僕らはシンガポールの売春地区を歩いたが、外国人は日本に来た時に、売春地区としてどこを歩くのか、また何を思うのか、とても気になる。

 


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