園子温監督 映画「新宿スワン」の感想と歌舞伎町での思い出


「歌舞伎町」というと昔は、それは、それは恐いイメージがあったが、そんな思いを持ちながら、高校を卒業し、大学に通い始め、小田急線から山手線に乗り換えるために新宿で降りて、時々寄り道をして、南口のユナイテッドアローズに寄ったり、西口ではヨドバシカメラに寄ったり、東口ではアルタ前に集合して、歌舞伎町に消えたりしていた。そんな感じで歌舞伎町と付き合っているなかで昔もっていた「恐い」という気持ちはなくなり、楽しい場所になっていた。今も基本的には休みは新宿にいる。遊ぶのも新宿に収める、そんな感じで、28歳なのに、オシャレ感なく、学生時代の感性のまま生きている。

そんな歌舞伎町であるが、昔恐い経験をしたことがあった。社会人になって半年くらい経ち、歓迎会か何かの幹事をしていて、一次会は確か盛岡五郎という新宿三丁目のモツ鍋のお店で、シャーベット状の日本酒が飲めてガブガブしていて、二次会は焼き鳥屋でそこでもたらふく食べて、三次会は、神座(かむくら)というラーメン屋で大盛りを食べて、とにかくたくさん食って飲んで吐くを繰り返しながら、吐く作業をコントロールするというか酔いをコントロールしながら幹事をしていて、「何のために僕は生きているのだろう」とか「お母さん、せっかく大学まで、いや大学院まで行かせてくれたのに、こんな自分で、ごめん」と、みんなを誘導しながら「次はどこだよ」とか荒れた声を浴びせられながら、夜空を見上げて、思っていた。

そんな家族への謝罪の気持ちと自分の立ち位置を悲観する気持ちをもって、神座で大盛りラーメンを食べ終え「やっと帰られる」と思って、謎に外に剥き出しになっていたソファーに座っていた。時間は確か深夜3時を過ぎていた。すると後ろから男の叫び声が聞こえ、大勢の男が、1人の男を殴る、蹴るしていて「映画?」と思ったが、カメラマンの影は全くなく、殴られていた男が、座っていたソファーの後ろに倒れこみ、それでも大勢の男は許さないようで、代表っぽい男が倒れた男の頭をずっと蹴っていた、そしてパトカーの音がして、男たちは、倒れた男を残して、トトロのマックロクロスケのように夜の歌舞伎町に消えた。僕は先輩に「危ないから行くぞ」と言われてその場を去ったが、昔イメージしていた歌舞伎町が僕が座っていたソファーの後ろで起こって恐い気持ちになった。

やられていた男は生きているだろうか。

そんなことを思いながら、園子温監督の映画「新宿スワン」を観てきた。園子温監督の映画は、「奇妙なサーカス」と「冷たい熱帯魚」を見ていて、それはそれは気持ちが悪くなるほどの、ストーリー設定と流せるだけ流す血の演出で、何度も何度も目を背けるが、「他のも観たい」と思ってしまう。「新宿スワン」を観た感想を書こうと思う。

  • 原作を読んでいないので、読めば良かったと後悔(理由は、映画アレンジを知るため)
  • 綾野剛が一瞬、ザブングルの「カッチカチやぞ」と言う方に見えた
  • 綾野剛はこの映画ではかっこよくない
  • 山田孝之が出ると、山田孝之以外が偽物に見えてしまう
  • スカウトでの収益方法は、スカウトした女性にランクが付けられ、まず紹介料をもらい、1ヶ月ごとにその女性が働き続ければ、その女性の売上の1割が入ってくるもので、一瞬「これすごい」と思ったけど、女の子はすぐに辞めてしまうから、お店はこうできるのか?と思い直した
  • 山田優は着物が似合う
  • 歌舞伎町が舞台だから、「あ、あそこだ!」とシーンが変わる毎に思うから、眠くならない
  • 沢尻エリカは、ヘルスかー
  • 沢尻エリカはかわいいけど、なんか本当に歌舞伎町にいそう、と思った
  • 沢尻エリカの薬中演技が、わからないけど、すごくリアルというか、なんというか
  • カラコンつけてると、風俗嬢に見える、見えてしまう
  • 客の男のイケてなさ
  • 多くの場面、場面で園子温らしくないと思ったが、ボーリング場やペットボトルを指をハメる…シーン、また、終盤の山田孝之と綾野剛が殴り合うシーンの太鼓の音や、昔の映像と今の映像を重ね合わせる粗さが園子温で、「お、お、お」と思ったけど、製作委員会の映画だと、そこまで色出せないのか…と全体を振り返ると思った
  • 映画が終わり、出口に向かいながら「血が多くて気持ち悪くなった」と口々に言う客が多かった
  • 帰り、歌舞伎町を歩いていて、通り過ぎる女性みんなが風俗嬢に見えてしまった


  

そんな感じで、面白かった。TOHO新宿で観た。映画館を出るとそこは新宿歌舞伎町で不思議な気分に。自然と映画の余韻に浸れる、「新宿スワン」は歌舞伎町で見るべきだと思った。



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