赤坂見附駅のクリープハイプ


4月になってしばらくすると、東京メトロの主要の駅には、電車乗降の人を整理するために若いスタッフが一斉に配置される(常にいるのかもしれないが、慣れ過ぎて全く意識に入らない)。普段何気なく通勤する中で、地下鉄、丸ノ内線だから当然地上を通ることはそんなになく、ただ四谷でひょっこり頭を出す程度で、そんなところでわかる情報は天候と、見下ろすとあるグラウンドにて、スポーツしている人がいるかどうかくらいで、何のスポーツをしているかまではわからないくらいの時間でまた地下へと潜る。

そんな曇り空な感じの地下鉄での通勤で、丸ノ内線を赤坂見附駅で降りた時に、

「間もなく電車が到着します」

と、クリープハイプの歌声のような声。

クリープハイプも、そんな歌詞を作りそうだけど、多分これからも作ることはないのだろうけど、「間もなく電車が到着します」と、電車乗降の人を整理する若いスタッフが叫ぶと、電車の乗り降りに関して老婆も無視するくらい自分勝手なサラリーマンも「お!?」となる様子で、今週は、そのクリープハイプ君とサラリーマンの様子を見ていた。勝手にクリープハイプ君と呼んでごめんなさい。

僕は、 クリープハイプ君は、この春、大学進学で上京して、昔から好きだった電車に携わることがしたいと思って、東京メトロのバイトをした、とそう勝手に想像している。

彼の毎日テンションが全く変わらない「間もなく電車が到着します」に、自分に与えられた任務に対する責任を強く感じて心が打たれる。

勝手な決めつけになってきているが、クリープハイプ君が上京する前から、赤坂見附駅で丸ノ内線から銀座線に乗り換える人は、既にそこで乗り換えて数年は経ってる人が大半だと想像がつき、そんなベテランの電車乗り換えの人を整理するというか、満員の電車に人を押し込むだけならわかるが、「間もなく電車が到着します」というアナウンスまで、ホームドアがある現在、必要か?と思うわけで、多分必要はないのだけど、春にウグイスが鳴くのと同じような位置付けで、彼の「間もなく電車が到着します」を整理した方が良い気がしたくらいに貴重性を感じて、メガシャキを飲むくらいに目がさめるような感覚を与えてくれている。

「いつもありがとう」と伝えたいけど、そんな僕からの言葉だけでのお礼はきっとまた次に赤坂見附駅に入ってくる銀座線で掻き消されると思うので、伝えないけど、気持ちは彼に毎朝支配されているくらい面白くて感謝している。

春というより、もう夏な感じ。



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